2025年3月下旬、春分の日あたりに旅をしたくてJALの「どこかにマイル1」に申し込んだところ、女満別空港行きに決定しました。
せっかく冬の道東に行くのであれば流氷を見てみたいと思い立ち、網走・知床を巡る旅に。3月下旬でもまだ流氷に会えるだろうか、冬の知床は寒すぎないだろうか、期待と不安が入り混じります。
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流氷はどこで観れるのか
流氷はロシアから南下して、北海道の東側・道東と呼ばれるエリアにやってきます。北に行くほど見えるというわけでもなく、時期や風向きで流れ付きやすい場所があるようです。
流氷観光で有名な場所としては紋別・網走・知床(ウトロ・羅臼)ですが、過去の流氷観測データを見ると、地形的に知床半島のウトロ側に流氷がたまりやすいように思えます。以下はある日の海氷予想図(気象庁WEBより)です。知床半島のウトロ周辺に流氷が多くあるようです。

とはいえ、昨日はいっぱいあった流氷が今朝になったらどこかへ移動してしまっていた、ということも日常茶飯事とのこと。流氷を見るには時期と風向きなど、ある程度の運も必要なようです。
さて、私が行った2025年の場合は流氷の接岸が非常に遅く、2月下旬でした。3月も半ばになると日に日に流氷の量が減っており、すでに紋別では流氷観光船は終了していました。
網走と知床で体験、全く違った流氷の印象
この時期、紋別と羅臼には流氷が接岸していなかったため、網走とウトロの2箇所で流氷を見る計画を立てました。チャンスが2回あれば、どちらも見れなかったとしても諦めがつくというもの。
- 網走から出港している流氷観光船で海から眺める
- 知床のウトロで陸上から眺める
3月下旬で流氷の量も減っているため風向きによって動きやすく、簡単に移動していってしまいます。どちらで見れるかは運次第です。
【網走】浮遊する流氷を間近で見る迫力、流氷観光砕氷船おーろら

まずは網走港から出港している流氷観光砕氷船おーろらに乗船しました。シーズンの終盤だったため、流氷が見られる場合のみ出港のような扱いでしたが、当日の発表でなんとか無事に出港決定。シーズン中は早めに予約を取っておかないと、当日に空席がない場合があるそうです。乗船ターミナルに行ってみるとインバウンド観光客の予約で超満員となっていて驚きました。日本語が聞こえてこない。
乗船後しばらくすると、徐々に流氷が増えてきます。シーズン中であれば、もっと厚い氷で一面覆われた景色が見られるそうですが、終盤なので海に浮遊している流氷が見られます。これはこれで、この時期しか見られない景色だと思うと感慨深い。

ベストシーズンだけがすべてではなく、その土地の移りゆく季節の流れを知ることも、かけがえのない旅の記憶になっていく。
望遠レンズで氷上を見ていると、なんとオオワシが。想像以上の大きな翼。初めて見たその貫禄ある佇まいに感動し、この後私は野鳥ファンになってしまいます。乗船すれば必ず見れるというわけでもないそうで、幸運に感謝です。

【知床ウトロ】夕暮れ時の街歩き、極彩色の流氷に心を奪われる
網走の流氷観光船で海からのダイナミックな流氷を眺めた後は、JR線とバスを乗り継ぎ知床ウトロへ。網走駅から知床斜里駅までの区間は、列車が海沿いを走るため、ここでも接岸していれば流氷を車窓から眺めることができます。

ウトロに着き、海岸線を見ると流氷がまだウトロ湾内に残っていました。昨日まではもっとたくさんあったのだけど、と宿の女将さんに言われて、一夜でそんなにも移動するのかと驚きます。

夕暮れ時にウトロを散策していると刻一刻と茜色が濃くなり、流氷の青に映り込んでいく色合いが言葉にならないくらい美しかった。宿からコンビニまで歩くような歩道からこの景色が見れるなんて信じられない気持ちです。

もちろん、流氷上を歩くアクティビティツアーなど、ウトロにはもっと流氷体感できるプランも揃っています。
翌日は朝から知床原生林をスノーシューで歩くツアーに参加。初心者でも心配なく、雪道をハイキングできました。1時間ほどのんびり歩いた先の断崖絶壁から眺めた海には、遠くまでひしめきあった流氷が。風向きの関係で前日よりも増えたそうです。神秘的な動きをする流氷にすっかり心を奪われてしまいます。


他の北海道観光地と知床を比べて
知床の魅力は、海も山も手付かずの大自然を、一般的な体力の人でも十分に体感できるツアーが充実している点だと思います。さすがは世界自然遺産となった場所。冬は流氷、夏は知床五湖トレッキングや野生動物観光クルーズなど、一年を通じて全く異なるな自然体験ができます。展望台をドライブで巡るのも良いと思いますが、せっかくここまで来るのであれば車では入れない場所に行ける現地ツアーに参加すると一層記憶に残る旅になると思います。
今回私が利用したツアーはピッキオ知床さん。
用具もすべてレンタルできて、手ぶらで参加できました。ガイドさんもフレンドリーで知識豊富、日本人以外も多国籍なゲストが参加したグループでしたが、終始なごやかな進行で安心して楽しめました。

冬の知床旅が向いている人、向いていない人
観光施設や飲食店は少ないので、自然を楽しむことをメインにできる人であれば向いていると思います。
懸念点としては宿の数が少なく、インバウンドに人気の高級宿かローカル感あふれる民宿、といった選択肢になるので自分の旅のスタイルに合わない場合もあるかもしれません。私は民宿いしやまさんに宿泊しましたが、現地の食材を活用した美味しい手料理に大満足でした。

冬の知床旅行のプランを立てる際の心構え・準備
最悪で流氷が見れなくても楽しめる日程にする
流氷の量が少ないシーズン序盤や終盤に予約をする場合は最悪の場合に見れないことも念頭に置き、流氷以外の現地ツアーや立ち寄りプランを一度調べてことをおすすめします。
また、シーズン中でも吹雪などの荒天で交通機関が止まり、立ち往生してしまう可能性についても頭の片隅に置いておきましょう(出発前の天候調査はしっかりと)。
レンタカーなしの場合は交通機関の綿密なプランが必要
女満別空港から知床までは、夏季と冬季の期間限定で直行便の「知床エアポートバス」が出ていますが、それ以外のシーズンではJRとバスを乗り継ぐ必要があります。いずれも運行本数が非常に少ないため、乗り継ぎの時間も考慮して予めきっちりとプランを立てておく必要があります。(行き当たりばったりだと待ち時間が数時間ということもあるし、ウトロまでの最終バスを逃してしまう可能性もあります)
厳しい自然を楽しむためにガイドツアーを活用する
知床の魅力は大自然ですが危険な野生動物も多く生息している地域なので、一般の人はガイド付きツアーを利用する方が解説も含め安心して楽しめると思います。宿への送迎も込みなので、レンタカーがない場合にも重宝します。午前だけのツアー、午後だけのツアー、丸一日のツアーがあるので、滞在のスケジュールに合わせて効率的に予定を立てられるのも魅力です。
寒さ対策の持ち物と服装
最も寒さ対策が必要だと感じたのは流氷観光船です。船内のスペースは広いのですが、甲板に出た方が流氷が良く見えるため必然的に外に出ている時間が長くなります。風を切って結構なスピードで進んでいくので、風が当たる耳や手は冷たさでちぎれるほど痛いです。気温も氷点下になる日も多いので、肌の露出を減らすことが重要です。
甲板に出て写真を撮ったり野生動物を探したい人は、耳当て、帽子、手袋、マフラーは必須。歩道は除雪されており、スパイク等は特に使用せずスノーブーツで町を歩くことができました。スニーカーだと雪に濡れてしまうし、滑りやすいので危険が多いと感じます。
流氷は去っていくから美しい、シーズン終盤でも流氷を観に行って良かった
今回の旅では流氷が去りかけている3月下旬だったため、海一面を覆う流氷を観れたわけではありません。それでも、移り変わる季節を感じ、徐々に減っていく流氷の姿を海岸で見つめることで、地球の大きな営みの一部を感じることができました。
流氷は日本ではこの地域以外で見ることができない風景であり、写真で見る以上のスケールの大きさと美しさに圧倒され、忘れられない景色となりました。
また冬の知床に行きたいかと問われれば、間違いなく行きたいと答えます。寒さを懸念していましたが、しっかりと衣服を対策すれば問題ありません。シーズン終盤でも流氷を観に行って良かったです。


